人気ブログランキング | 話題のタグを見る

祖母の記憶

祖母の記憶_d0147727_19131966.jpg
 父方の祖母は、腰が曲がって眼鏡をかけた小さな女性だった。夏休み中ずっと熊野の母の実家で過ごしていても、山奥に住む父方の祖父母に会いに行くことは滅多になかった。祖母には15人の孫がいて、みな名前で呼んでいたのだが、東京っ子の私と兄だけは、ちゃんづけで呼ばれてた。
 人見知りの激しかった私には、祖母と話をした記憶がない。

 これは祖母の手作りのプレゼント。唯一の思い出の品だ。
祖母の記憶_d0147727_1914345.jpg
 最後に祖母に会ったのは、彼女のお葬式の日だった。その日は山奥の家に親戚が沢山集まって、子供達は厩の2階に寝た。お葬式が始まる前、叔母に「おばあちゃんに会うかい?」と聞かれた。おばあちゃんは死んでしまったのに、と言いかけた私は衝撃の体験をした。大きな木の桶の蓋を開けて、叔母が会わせてくれたのは、足を折って座っている祖母だった。
 その村には焼き場が無く、祖母は土葬にされた。白い△をおでこにつけた伯父達が桶を担ぐ場面とともに、忘れられない記憶となった。

 今でも土葬が一般的だというアメリカの怖い話を。
 土葬されたお墓は、数か月すると遺体が土に戻って、体積が減って陥没するので、土を盛りなおすのが普通らしい。それが最近では時間が経っても、陥没しないケースが増えたという。遺体が腐らない。食品添加物、防腐剤入りの食品を食べ続けたためではないか、と言われているらしい。
 その話を聞いてから、私は冷凍食品やコンビニおにぎりなどはなるべく食べないようになった。もし土葬にされたとしても、私はいつかは土に還りたい。

# by mobiliantichi | 2010-12-17 19:49 | つぶやき  

泊ったのは2回目だけど

泊ったのは2回目だけど_d0147727_194717.jpg泊ったのは2回目だけど_d0147727_19481182.jpg 大学から一番近くにあったホテル。ロビーやレストランを利用することはあっても、東京のホテルに泊まることはなかった。でも最近、兄の結婚式以来、とっても久しぶりに泊る機会に恵まれた。やっぱりこのちょっと古いホテルは落ち着く。
泊ったのは2回目だけど_d0147727_1949813.jpg泊ったのは2回目だけど_d0147727_1950985.jpg
泊ったのは2回目だけど_d0147727_19503462.jpg泊ったのは2回目だけど_d0147727_19511068.jpg
泊ったのは2回目だけど_d0147727_19512731.jpg
 折角だから、今まで入ったことがないBARに行ってみよう。
レトロなスイッチやカウンターの端のクッションが面白い。
泊ったのは2回目だけど_d0147727_19531916.jpg泊ったのは2回目だけど_d0147727_19542410.jpg
泊ったのは2回目だけど_d0147727_19545746.jpg

泊ったのは2回目だけど_d0147727_19561784.jpg
 このホテル、中華レストランでは春巻き、お寿司ならお好みで軽くつまんで、お隣の和食レストランからすっぽんのお吸い物を頼む、空腹ならルームサービス用の太巻きを頼んでみるのも。朝はもちろんカリカリのシナモントースト。cafeのメニューならジャンバラヤ、とピーチメルバかな。

 はい、やっぱり私は食いしん坊です。


# by mobiliantichi | 2010-12-16 20:28 | 国内旅行  

ウール100%

 最近、ウール100%が気になる。
 なぜなら、フックドラグのに使える素材はウール100%だから。
 でも私、今まで洋裁とかしたことなかったので、布を見ても全くわからない。
 骨董市に行っても、綿や麻はあってもウールは見当たらない。
 日暮里に行っても、鮮やかな生地には、だいたい化繊が入っている。
 
 これは外国の軍の供給品。やっぱり綿なのかなあ。
ウール100%_d0147727_2159946.jpg
ウール100%_d0147727_21592923.jpg

ウール100%_d0147727_21595114.jpg
ウール100%_d0147727_220428.jpg

 でも、青の1本のラインが効いてるから、テーブルクロスにでもよさそう。

# by mobiliantichi | 2010-12-15 22:21 | アンティーク  

モンブランのモンブラン

モンブランのモンブラン_d0147727_22141496.jpg  自由が丘のモンブランのモンブラン。
小学校の頃、モンブランのケーキを戴くと、モンブランを選んで食べた。高校の頃は、モンブランのお店のショウウインドーが古臭いと感じ、大学生になって久しぶりに食べたモンブランは、田舎くさくてださい、と思った。その頃は銀座プランタンに、本場フランスのアンジェリーナができて、茶色っぽいモンブランがトレンドだった。
 でも今、モンブランのモンブランは、何かやさしい甘さで美味しい。上に乗ってるのはメレンゲ、栗クリームの下の生クリーム、スポンジの中にはカスタードクリームも。さらに甘露煮の栗発見。凄い。(もちろんこのモンブランは和栗のみを使用)
 実はこのモンブラン、歴史も凄い。なんと昭和8年(1933年)にモンブランの創業者の迫田千万億が作り、それから90年近くも続いている味なのだ。(そもそも、モンブランとは、15世紀にフィレンツェでウエルミセル(極細パスタという意味だそう)でつくられたお菓子で、1903年にはパリのアンジェリーナでも売られていたという。)
モンブランのモンブラン_d0147727_22143172.jpgモンブランのモンブラン_d0147727_22144989.jpg
モンブランのモンブラン_d0147727_221541.jpg

モンブランのモンブラン_d0147727_2215217.jpgモンブランのモンブラン_d0147727_22153440.jpg
モンブランのモンブラン_d0147727_2215481.jpg
 包装紙のこのグレーの色調も変わらない。

 モンブランのモンブランを美味しいと思えるようになった自分がちょっと誇らしい。歳を取るっていいかもね。

# by mobiliantichi | 2010-12-14 22:40 | 食べ物  

polpo ripieno

polpo ripieno_d0147727_20414927.jpg 今でも思い出すと赤面する間違いを一つ。イタリア語を習っていたころ、この時期には、クリスマス料理の思い出を聞かれることが多かった。ある時、スタッフィングの詰まった、我が家のローストチキンについてしゃべった。先生や他の生徒の皆が不思議な顔をしている。そして先生が「それは日本の伝統料理なのか?」と聞いた。私はどうも「鶏 pollo」と言うつもりで、「蛸 polpo」と言ってしまっていたのだ。

 新神戸駅で、明石のタコ飯弁当を買った。
 これは一種の polpo ripieno スタッフィング オクトパス 。
polpo ripieno_d0147727_2042326.jpgpolpo ripieno_d0147727_20424494.jpg
polpo ripieno_d0147727_2043726.jpg


# by mobiliantichi | 2010-12-13 20:58 | 食べ物