カテゴリ:古民家修復( 130 )

 

玄関の今

d0147727_19195590.jpg
 熊野の家の修復は、このところ小休止。だからふと気がつくと、最近このブログの主人公は忘れ去られ、他の建物の話ばかり。夜、流れ星を見に外に出ようとして振り返って、玄関を眺めてみる。あれ、面白い影ができてる。写真に撮れるだろうか。

 手ぶれでぼけたピントが、ちょっと優しくて暖かいと感じる。ここはかつて沢山の病人が、薬や治療の順番を待った部屋。壁には待ち時間の暇つぶしか、沢山の落書きがあった。
d0147727_19201589.jpg

d0147727_19202815.jpg

d0147727_19212950.jpg 

 新しくこの部屋に加わった、とっても古い木で造られたこの影の主については、またいずれ。

[PR]

by mobiliantichi | 2009-11-10 19:43 | 古民家修復  

石垣修復

あの日から数か月を経て、やっと線路沿いの石垣の修復が完了した。
d0147727_1939135.jpgd0147727_19395837.jpg
d0147727_19402220.jpg

 まず、崩れた場所以外も、膨らんで積み直しが必要な場所を決める。d0147727_19422720.jpgd0147727_19425184.jpg
d0147727_19431167.jpg

 石1個1個に番号をふる。崩れてしまった場所はそれができないから、難しい。d0147727_19442224.jpgd0147727_19444123.jpg
d0147727_1945785.jpg

 強度も考えて、草も生えないようにセメントで固めることになった。d0147727_1946507.jpgd0147727_19482770.jpg
d0147727_19484310.jpg

 アールの部分を積み直したら、なぜか1個石が足りないという。回りも探したが、行方不明。d0147727_1949278.jpgd0147727_19491698.jpg
d0147727_19494785.jpg

 工期の途中で、あの大型台風に遭遇。でもびくともしなかった。d0147727_19525736.jpgd0147727_19531282.jpg
d0147727_19533017.jpg

 しかし職人さん達は台風の被害で、臨時の仕事が立て込み、しばしこちらの修復は休憩。d0147727_195467.jpgd0147727_19541968.jpg
d0147727_1954567.jpg

d0147727_19564210.jpgd0147727_1957350.jpg
d0147727_19575235.jpg

d0147727_19594961.jpgd0147727_2001332.jpg
 積み終わったら番号を消して、完成。
d0147727_2003265.jpgd0147727_2004538.jpg
d0147727_2005648.jpg

d0147727_2024871.jpgd0147727_203151.jpg
d0147727_2032481.jpg

 ちょっと上の方にセメントの薄い灰色が見えるのが残念。d0147727_203481.jpgd0147727_2042011.jpg
 この修復では新しい職人さんとの出会いがあった。山瀬造園さんには来年また仕事を頼むことになる。そうエントランスの修復だ。今、色々なアイディアを出し合っているところ。こうご期待。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-11-06 20:36 | 古民家修復  

台風の置き土産

d0147727_20103153.jpg
 今年の元旦の写真だ。たぶん来年のお正月も同じ状態だろうと思っていた。
d0147727_19584821.jpg ある日帰ったら階段が坂になっていた。これは重機を入れるために土嚢と砂での臨時措置。聞いてはいたのだが、ちょっとびっくり。
d0147727_19592615.jpg

d0147727_200136.jpg
 石垣修復は現在進行中。職人さんと話して、急遽決まった門柱の撤去と石垣の部分撤去。実はこの門柱は途中でひびが入っていて、ちょっと押しても倒れる、と言われていたのだ。このあたりの石を使って作られたもので、今ではもう手に入らないということなので、使える部分だけ残して、はずしておいてもらうことになった。これも家に戻ったら、きれいに終わっていてびっくり。

d0147727_1955294.jpg そして今朝。一晩中、台風の風の音に眠れず、明るくなった外に確認に出てびっくり。倒壊寸前と思っていた母屋は無事だったが、庭への木戸はこんな具合。でも実はこの木戸はここが廃屋だった時分に取りつけたものだったので、いつかは取り換えたいと思っていた。
d0147727_19554887.jpg


 10年ぶりという大型台風のおかげで、心は決まった。アプローチから正面玄関までの部分、庭と周りの石垣、この修復に来年は着手しようと思う。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-10-08 20:41 | 古民家修復  

伊作の絵 その後の経過報告

 和歌山県立近大美術館に預けてあった西村伊作の絵。遂にこの絵の修復が始まった。美術館の方のご好意で、東京の目白にある修復研究所21という会社に届けていただいた絵。修復方法の相談にその場所を訪れた。一人で行くのはなんとも気後れするので、友人を引っ張り出して、2人での訪問。所長の女性は多分私達と同年代位の方で、ずぶの素人の私達にも判りやすく、この絵の今の状況、修復の必要性、そのやり方にとどまらず、絵画修復についての会社の考え方などを、今までの事例を交えて説明してくれた。その後に実際の修復現場も見せてくださった。
d0147727_20263619.jpg

d0147727_20265479.jpg
d0147727_202776.jpg

 この絵は、一度かん水しているという。そのために布が縮んで、絵の具がはがれかかっている。絵の架けてあった場所は、雨漏りはなかったが、家自体を数十年の間、閉切ったままだったこと、そして熊野は湿気の多いところであったことが原因だろう。d0147727_2028854.jpg
d0147727_20275025.jpg

 キャンバスを張っている木枠は、手作りなのか華奢で、数年前に展覧会用に最低限の補修をしたときにすでに波打っていたため、補強されていた。今回はこの木枠から絵を取り外して、修復を行い、その後にこの木枠が使えるかどうかは、現時点では判らないと言われた。d0147727_2031289.jpg
d0147727_20294019.jpg


 ここ数年は美術館の空調の整った倉庫にあった絵。これからこの絵がもとにあったこの場所に戻ってくる事になる。隙間風、埃、日光。これらの影響を考えると、アクリル板を絵の前に入れること、絵の後ろにはやはりカバーを取り付けることが必要だろう。
 修復家は言った。「1年に一回とは言いません。せめて2年に1回でも、晴れた10月に風通しのいい室内で、後ろのカバーを外して、アクリル板との距離もあけて、絵の陰干しをしてあげてください。そしてその時にその絵をじっくり見てあげてください。そうすれば、どこかに傷みがきていないか、ということを早い段階で発見する事ができるのです。」この言葉、絵に留まらない気がして、とっても耳が痛かった。

 絵の修復が終わるのは、早くて年内。それまでに、もうちょっとこの場所を綺麗にしておかないと。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-09-06 21:09 | 古民家修復  

古い記憶

 私は学校があまり好きではなかった。友人は少なく、休んでも誰も気がつかないような、おとなしくて目立たない生徒だった。小学校卒業の時、みんなでサイン帳の書きあいっこをした。私のサイン帳にクラスメートは「いじめてごめんね」と書いた。私は、自分がいじめられていることにも気がつかない、自分の世界に閉じこもった脳天気な生徒だった。
 小学校6年間のきらきら輝く記憶、それはほとんどここ、熊野でつくられた。それが私が今ここにいる本当の理由だと思う。私はこの熊野に恩返しをしなければいけない。もう少し早くその事に気がついていたら、祖母が生きている間に熊野に戻ってきたのだが。
d0147727_19445519.jpgd0147727_1945969.jpg

 1学期の終業式が終わると、とにかくすぐに熊野に行く。それは寝台車だったり、ひかり号だったり、時にはフェリーや自家用車だった。たいていは母と2人で、熊野市駅に降り立った。駅からハイヤー(祖母はタクシーの事をそう呼んだ)に乗り、「西村医院」と言うとここに着いた。車を降りると私は駆け出す。この階段を駆け上って、おじいちゃんのいる怖い病院の横をすり抜けて。
d0147727_19452574.jpgd0147727_19453974.jpg

 立派な玄関には用はない。石畳を滑らないように走り、勝手口に向かう。「おばーーちゃーーん!」土間にある台所では、祖母や大叔母がご馳走を作って、私が到着するのを待っていてくれた。土間から板の間に上がる階段は、子供の足では段差が高すぎて、興奮状態の私は、何回もつまずいておでこを強打した。私の石頭は、この時に作られたのかもしれない。
d0147727_1946470.jpgd0147727_19461599.jpg

 世界で1番、祖母が好きだった。母が東京に帰った後も、私は2学期の始業式の前日まで、熊野で過ごした。だから帰りはよく一人で列車を乗り継いで、東京に帰った。
 2学期が始まるとクラスメートは「○○ちゃんの軽井沢の別荘にお呼ばれして、サイクリングをして、▽▽ちゃんと会って」なんて言う話をするのだけれど、別にうらやましく思うこともなかった。私には別荘はなくても、田舎があったから。そしてそこには大好きな人がいたのだから。d0147727_19465366.jpg
 
 誰もいなくなった母屋。でも1つ、記憶と変わらないものがある。それは香り。どんなにオンボロになっても、母屋を残しておいてほしいのは、その古い記憶の香りを、いつまでも嗅いでいたいからかもしれない。

[PR]

by mobiliantichi | 2009-08-27 20:36 | 古民家修復  

緞帳

d0147727_20114253.jpg

 やっと最後の窓にカーテンが付いた。
 フランスのキルトのカーテンは、母には「緞帳みたい」と言われた。
d0147727_20122768.jpg

 何しろある物でやる、という修復なので、カーテンクリップはサイズはバラバラ。
 元の窓ガラスのレールを代用したカーテンレールは、ちょうどいい長さの物はないし、切る道具もなくて、合わせてちょっと足りない2本を使ったので隙間ができている。
 しばらく押入れに仕舞っていた間にできた皺は、吊るしておけば自然にとれるだろうか。
 カーテンを上に束ねて挙げるための細工は、これから考えないと。
d0147727_20135826.jpg
d0147727_2014108.jpg

 でもなんといってもサイズがぴったりだから。
 まあ本来なら縦に使うカーテンを横にしたのだけど。
d0147727_2015581.jpg

 相変わらず、自己流のいい加減なゆるい修復でごまかしている毎日。
 もちろん私の血液型はA型ではなくて、B型である。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-08-25 20:44 | 古民家修復  

インターフォン

 やっと付いた我が家のインターフォン(?)
d0147727_22365953.jpg
d0147727_22372637.jpg

d0147727_22375127.jpg

 とっても音が大きいので、ちょっとご近所の評判が気になる。
 しばらくは家にいて、荷物が届く予定の時だけ、つるしておくことにしよう。
 「これを鳴らして下さい」と札をさげておいた方がいいかな。

[PR]

by mobiliantichi | 2009-08-23 22:46 | 古民家修復  

裏から見ると

d0147727_20122028.jpg
 裏から見ると、そのぼろぼろ具合がよくわかる。修復の最初は屋根。瓦を下して、天井裏があらわになると、そこはぼろぼろの状態。亀さんはまさかこのは残さないと思ったようだが、やっぱりここは家の正面。またまた無理を言って、温存してもらった。ペンキを塗れば、なんとか表は見れる状態に。
d0147727_20162062.jpg
d0147727_2015327.jpg

d0147727_2012508.jpg
 こちらもこの家のチャームポイント。部屋の天井の四隅の空気穴。裏から見ると、汚れた網が乗っている。何十年分の埃の跡は、ちゃんと空気穴として働いていた証拠。

d0147727_20205934.jpg
d0147727_20202485.jpg



 実はきちんと屋根ができた今でも、屋根裏に登る秘密の通路がある。一人で登るのは怖いので、どなたか天井裏見学ツアーに同行してくれませんか?ただし、天井が抜けると厄介なので、体重制限は設けさせてもらいますが。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-08-20 20:46 | 古民家修復  

梅雨が開けない、、、、、。

 今年の梅雨はいったいいつまで続くのだろう、、、。一日全くの快晴だった日を思い出せない。
d0147727_21512387.jpg

 子供達は夏休みに突入したので、いろいろな友人、親戚が熊野に海水浴に訪れる。
 しかし、、、、。
d0147727_21524580.jpg 海はこんな状態。今日の最高気温は24度。でも子供達は海へと向かった。1時間でも海水浴をしないとあきらめないそうだ。まあ塩水は天然の雨シャワーが洗い流してくれるけれど。
 亀さんのおかげで、こちらの天窓や雨漏りの激しかった四隅も全く問題はない。しかし、同じ時代に建てられた母屋では沢山の雨漏りが見つかった。修復に終わりはない。
d0147727_21472720.jpg
 先日東京で買ってしまった長靴。沢山の色があって悩みながら、結局は藍色に。こんなことなら早く熊野に送っておくのだった。熊野では雨の日には、お年寄り夫婦が長靴姿で手を取り合って歩いている姿を見かける。そのとっても微笑ましい長靴姿、見習いたい。

[PR]

by mobiliantichi | 2009-07-28 22:12 | 古民家修復  

安易な修復

 廃屋を整理した時、骨董屋さんも持っていかなかった家具があった。この写真の3つ。
 そこの場所にあわせて、多分、大工さんが作っただろう家具。
 曲がっているし、全くいい木を使っている訳でもない。
d0147727_2151147.jpg
d0147727_21511351.jpg


 そんな家具は部屋に使ったペンキの残りで、塗っちゃいました。
d0147727_21521157.jpg
d0147727_21522537.jpg

d0147727_21535635.jpg

 安易な修復。
 でもこんな物が、結構重宝している。ボイラーのカバーなんてトイレのサイズにぴったり。
 満足、満足。
[PR]

by mobiliantichi | 2009-07-18 22:07 | 古民家修復