熊野自慢 その25 「ホタルの里 大井谷」

ホタルの光は写真に撮れなかった。だからその場所にある野生のユリの写真にしよう。
昔は沢山咲いていたこのユリも、今では心無い人に掘られる心配のない場所にだけ、ひっそりと花を咲かせている。
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 今年もホタルの季節が訪れた。今までは毎年亀さんが誘ってくれたのだが、今年はお声がかからない。
 ここばっかりは、外灯のない真っ暗な道なので、一人で行くのは寂しいと思っていたら、職場の仲間に誘われて、行くことができた。3年連続だ。


 「ホタルの里」は、熊野市の山奥の静かなところだが、この時期だけは、細い道に縦列駐車で道が渋滞する。3年前に生まれて初めてみたホタルは、山全体をクリスマスツリーのように飾っていた。ホタルというのは、川べりを数匹が淡いはかなげな光で点滅する寂しげなもの、と思っていたので、その数とカエルの合唱のBGMにびっくりした。そしてディズニーランドのスペースマウンテンのような状態の道を歩いた。昨年は天気の影響かそれほどの数ではなかったが、今日はかなりの数が見られた。
 この里では、ホタルのために無農薬でお米を作り、この時期には、家家の窓には、光が漏れないように目隠しをしている。外灯も消した暗い道を懐中電灯もなしで、みんなが歩く。もしそこで、ペンライトを着けたりしたら、皆に振り向かれる。ましてやハイビームで車を走らせでもしたら、、、、、。
 そうやって皆が大切にしている場所だが、地元にはお金は落ちない。だって、もちろん「ホタルの里料亭」も「ホタル カフェ」も、もっと言うと自動販売機ですらないのだから。観光客は駐車料金も取られず、ただホタルの里を歩き、帰っていく。
 もしこんな里が東京近郊にあったら、「ホタルの時期は特別3万円プラン」なんていう料亭や旅館が、ひしめきあうことになるだろう。
 6月に熊野を訪れたなら、空にきらめく無数の星と、山を背景に点滅して飛ぶホタルの光の共演を見ることができる。そしてその共演には、時々飛行機が加わることもある。
 そして気まぐれなホタルが、あなたの手のひらにひらひらと舞い降りてくることも、決してまれではない。 
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by mobiliantichi | 2009-06-17 22:59 | 熊野自慢  

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