とちもち
お正月に両親と下北山村に行った。そこには曾祖父の徳太郎が最初に建てた診療所がある。
かなり手直しされたが、ところどころに昔の物が残っていた。
熊野の母屋から、この家を建てる時の方位が書き込まれ図面が発見された。妖怪学の知識を十分に生かした家に違いない。
母屋から診療所に続く渡り廊下は石だけ残る。大きな岩には蛇口が附いていたらしい。
蔵の瓦の家紋は抱き茗荷。熊野の蔵と同じだ。この蔵を建てたのは、明治の時代。
石垣やあがりもなんだかよく似ている。
今この家には山を守る親戚が住んでいる。彼は久しぶりに訪れた私達親子に一生懸命、山の話をしてくれた。切りっぱなしで荒れ果てた山肌が見える。日本の林業の現状はきびしい。彼もあまごの養殖をして、家計の足しにしているようだ。
帰り際に、山で採れる橡の実を使った手間のかかる自家製のトチ餅を沢山お土産にいただいた。その結果、ほぼ10日間、私の朝食は黒蜜に黄粉をかけたトチ餅になった。
さらにその結果、2月中旬に差し掛かった今でも、生涯最高体重をキープしている。
by mobiliantichi | 2009-02-07 16:33 | 熊野自慢