Boku のグルメマップ 第3回 : contorno (付け合せ)
人形町で一番有名な洋食屋と言ったら、芳味亭。一時期はテレビや雑誌によく登場していた雰囲気のある店だ。 最近のコメントを見ると評価はまあまあ。辛口のコメントもちらほら。そんなコメントを見ると、ちょっと寂しくなる。
雑誌などでは「洋食弁当」が色々なものが詰まっていてお勧め、と書いてあるが、私は決して頼まない。私のお勧めは一皿の料理。
今回は一人、暖簾をくぐる。大人数では2階の座敷が雰囲気も楽しめて、お勧めだが、今回は入ってすぐに2つだけあるテーブル席にしよう。床の小石も、靴箱も変わっていない。
メニューを開いて、さて今日はタンシチューにするか、それともミニッツステーキか、でもランチにはちょっと重い。2人ならカニサラダは外せないのだが、一人であれを全部食べたら、他にはなにも入らないから、今回は我慢。
結局カニクリームコロッケと半ライスに決めた。
私がなぜ一皿の料理を勧めるかというと、実は芳味亭のお勧めは、他では味わえないきちんとした付け合わせだから。コロッケにはセロリのスープ煮とスパゲティーナポリタン。ポテトサラダや大根の酸味の強い付け合わせも絶品だ。付け合わせさえも、もう何年も全く変わらない。
私が子供の頃は、スパゲティーと言ったら、ナポリタンかミートソース。私はミートソース派だった。それはナポリタンのスパゲティーに絡んだ玉ねぎの食感と味が許せなかったから。同じ理由で、マカロニサラダやポテトサラダの繊維に添って薄切りにされ、晒してしんなりした玉ねぎも苦手だった。だから芳味亭のデミグラスで合えただけの何も入っていない、このナポリタンはうれしい。ちょっと濃い目の味付けのここの洋食は、懐かしい昭和の味がする。
by mobiliantichi | 2008-12-20 22:01 | 食べ物