穴だらけの椅子のその後
お店で見つけた時の写真では、想像もできない罠が潜んでいたあの釘だらけの椅子。実はsaleだったので、2脚買ってあったのだ。ばらばらの状態の椅子はほぼ半年の間、師匠の店の倉庫に放置したままにしてあった。しかし、これらも遂に修復が終わって、先日やっと熊野に送る事ができた。
あの穴だらけになった部分には、木を埋めて、パテでも埋めて。
元々の座面は編んだものだったが、穴が開いていたりして、強度に問題があった。
それにこの座面を編む技は習得が難しいということだし、すでに出来上がったシートを貼り付けるのでは、味がない。そこで、綿を入れて布を張るつもりだったのだが、構造的にそれも難しいということで、今回はとにかく板を貼ることになった。
この画鋲のような鋲は、靖国の骨董市で、いつか使うかもと思って、10箱ほど買っておいたもの。ようやく使うことができた。
まず細いドリルで、下穴を開けてから、トンカチで鋲を打つのだが、これがまたまた素人には難しい。ドリルの歯2本とこれだけの鋲をだめにした。10箱買っておいてよかった。
色を入れて、シェラックを塗って、ワックスを塗ってふき取る。
後はこの座面にあった大きさのクッションを作ろう。
やっぱり椅子の修復は面白い。
今までやった7脚、すべてに違った罠があった。
一つが完成すると、またやりたくなる。
このままでいくと、熊野の家は椅子屋敷になるかも。
第1作、第2作、第3作、第4作、それに今修復中の第7作。
その内、第7作以外はみんなスワローデイルアンティークスで購入して、7脚すべて
ガスリーズハウスアンティークスの工房で修復実習させていただいている。
修復しがいのある椅子を見つけてきてくださる、M氏と、口は悪いけれど修復指導でお世話になっている師匠。お二人のお店を一応ちょっとここで、宣伝しておこう。
もしかしたらこのブログを見て、アンティーク家具修復に興味をもたれた方が、いないとも限らないから。それに皆さんの家に、がたつくアンティークの椅子があったら、きっとこの2店なら、きちんとした修復をしてくれると思うから。
(もちろんこの宣伝と、師匠のドリルの歯を2本も折ってしまったこととは、関係はありません。)
by mobiliantichi | 2008-12-15 08:51 | アンティーク