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アフリカの洗濯板

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 多分これは私が最初に買った、良く判らない、用途のはっきりしない家具。
東京のマンション暮らしを始めてまもなく、駅前のギャラリーで目に付いたもの。
お店の方に聞くと、アフリカで使われていた洗濯板だという。
丸太を彫ったもののようだ。
 しばらくは台所で、一人朝ごはんを食べたり、冷蔵庫の中の物をつまんだりする時に椅子がわりに使っていた。
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  数年後、アンティーク家具を買い始めると、家具を食べる虫がいる、という事実を知った。師匠に聞いてみると、特にアジアや、アフリカ、それに南欧の家具に多く、他の家具まで食われる事もある、と言う。そこで、家に帰って洗濯板をひっくり返してみる。足には無数の虫穴が開いていた。長い間、アフリカの虫と同居していた事実に恐怖を感じて、虫穴一つ一つに細い管で殺虫剤を拭き入れた。その時に木屑のようなカスが出てくると、虫が生きてまだ食事中の証拠だそうだ。
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 さらに配送の時に我が家で、この洗濯板を見た師匠は「洗濯板ではない」とおっしゃる。師匠によると「テレビでよくアフリカの女性が川で洗濯する映像を見るが、河原の岩とかを使っていてるけれど。洗濯に使うなら凹凸をつけた作りにするのでは?」
  いちいちごもっともです。
 でも、私は声には出さず心の中で、言い返してみる。
 「いいでしょ、洗濯板だって言われたんだから。赤ちゃんをおんぶしながら、この板を使って家族の衣類を洗濯している、スレンダーボディの若い黒人の母親をイメージしてたって。」


by mobiliantichi | 2008-11-27 19:51 | インテリア  

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