ブラックホール

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 子供の頃から、社交的とはとてもいえない性格だった。ぬいぐるみが友達。
 ベッドのかなりの部分を占拠するほどのぬいぐるみと、生活していた。
 カンガルーホームズ、ロイジェームズなんて名前をつけて遊んだ。
 ある日、学校から帰ると、ほとんどのぬいぐるみが消えた。
 娘の将来を心配したのだろう、処分されずに残ったのは、ほんの数匹。

 この2匹は当時はあまり好きではなかった。硬くて、さわり心地もよくない。
 遊ぶより眺めるぬいぐるみだ。どうも有名な会社のものらしく、骨董市でも見かける。
 たしかに大人の目で見れば、なかなか完成度の高いものかもしれない。
 でもこの2匹には名前はない。

 大きくなっても性格は変わらなかった。
 中学の頃にはスイミングスクールのコーチに「自閉症」、
 高校では担任の先生に「お母様はあんなに明るい方なのにねえ」、
 大学では面接で「自分の頭で考えて話すことができない」と言われ、
 仕事の同僚につけられたあだ名は「底なしのブラックホール」

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 それでもちゃんと社会生活を
 おくっていけてる。
 人間の友人もできた。
 人間相手の仕事もしている。
 でも時々、ぬいぐるみを眺めて、
 ため息をつく。
 
 さあ
 今日もがんばって働いてきます。

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by mobiliantichi | 2008-08-13 07:10 | つぶやき  

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