とゆ

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「とゆはどうするん?」亀さんの問いかけの意味はしばらくわからなかった。
雨樋のことを、熊野では、とゆという。とゆは雨じまいにとって凄く大切。
本当は昔のように、銅で作りたいところだけれど、ここは海の近く。すぐに腐食してしまう。(もちろん高いし)
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 とゆにこだわりの強かった師匠は、地元の板金屋さんに色々なタイプのサンプルを見せてもらった。予算の関係もあるし、じゃあこんなところか、と思っていたところで、若い板金屋さんが一言。「自分で作ります。」ということで、ハンドメイドのとゆが出来上がった。d0147727_1453315.jpg 板金屋さんは外壁と基礎の間にも、外壁がくさらないように、雨が流れ落ちる仕掛けを作ってくれた。
 大方の工事が終わった時、お世話になった職人さん達を呼んでバーベキューをした。その席で、板金屋さんは師匠について回って、「この部屋のペンキの色は、なぜこれにしたか?」とか、「この絵は、なぜこの位置に決めたか?」などと質問していた。自分でデザインして新居を建てたばかりの彼も、この修復家屋の方が住んでみたい、と思うと言ってくれた。
 今回の経験から彼は、「オーダーで作れば、家に合うものができるけれど、時間とお金を考えると、既製品を売っていく方がずっと儲かる、ということが判った。」と言っていた。
 若い板金屋さんが、このとゆを作ったことで、自信をもって仕事をますますがんばってくれたら、と思った。


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by mobiliantichi | 2008-08-10 15:29 | 古民家修復  

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