あまじまい

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 割れたガラス窓に打ち付けられていた板を剥がすと、窓は特殊な造りをしていた。壁の一部が窓になっているのではなくて、壁の上に窓を額縁ごと取り付けた、そんなイメージ。
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 海側の窓は雨仕舞を考えて、木製のサッシに変えることにした。アメリカ製のサッシの取り付けには、東京の大工さん(以下O氏)に応援にきていただき、地元の大工の亀さんに協力してもらった。O氏を混乱させたのは窓の大きさ。家の寸法は地方により異なるそうで、関東間、関西間などと区別されるが、熊野のあたりは独特で、そのどちらにも当てはまらない寸法だったそうだ。
 
 既存の窓を取り外すと、この家を建てた当時の大工の色々な技が現れた。素人の私には全くわからないが、O氏は窓の構造の一部を参考のため、持ち帰ったらしい。

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d0147727_74989.jpg O氏は、太平洋が一望できる1泊3000円の民宿に泊まり、歩いて1分の現場に毎日通った。そしてその時、東京の雨とはものが違う、熊野の雨を体験した。亀さんが最も気にする「雨仕舞」の大切さを実感したらしい。

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d0147727_784566.jpg 2週間の熊野滞在中、豪雨で作業ができない1日、O氏は熊野古道を訪れた。そして寂しい通りで、崩れたお地蔵さんをみつけ、きちんと直した。ふとみあげるとそのお地蔵さんは大工の神様。
 それ以降、O氏の仕事は順調らしい。
    東京と熊野の大工さんの共同作業で完成した窓も、この家の自慢の一つになった。
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by mobiliantichi | 2008-07-05 08:05 | 古民家修復  

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