処置机

 祖父の診察室に残っていた机には、天板に表面のつるつるした紙が貼られていた。耳鼻科だった祖父は、この上でいろいろな処置の準備をしていたのだろう。ほとんどの家具はA氏に引き取ってもらったのだが、同じ物が2つあったこの机は、1つ残して自分で修復することにした。
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d0147727_7533316.jpg 修復はまず、師匠の店の庭先で始まった。べったり貼りついた紙を剥がしたあとは、天板に残った接着剤をお湯やら洗剤やらでひたすらこそげ落とす。水を使った外での作業にしもやけを心配する。そして1日目が終了。
 数日後に乾いた天板を見ると、沢山の輪染みや焼け焦げがある。今度は白蝋病を心配しつつ、サンダーでひたすら削る。サンダーのスイッチを切っても、手が振動しているような感じになる。そして2日目も終了。
 次はばらばらに分解して組み直し。今までやった英国のアンティーク家具とのいろいろな違いを見ることができた。日本人はやっぱり几帳面で四角四面だった。

 仕上げは天板のシェラックとワックス塗り。なんだか自分でも惚れ惚れするピカピカな天板になった。細かなところを見てみると木目が美しい。天板に使われている木の幅も太くて、大きい木が使われたことがわかる。
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 d0147727_8304844.jpg 普段はテーブルクロスをかけて日焼けを防いで、これぞ、というお客さんが来た時には、クロスをめくって、実はこの机はこれこれしかじかで、、、、と自慢話を始める。本当はこれが楽しくて、修復作業をしているのかもしれない。我ながら嫌味な性格の人間だと思うが、やめられない。熊野には、こんな自慢話を聞かされるのは覚悟して来てください。お待ちしています。

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by mobiliantichi | 2008-06-17 09:03 | 古民家修復  

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