PIKALで磨こう

 荒れ果てた手術室に残された無影灯?の笠。さすがにこれは売り物にはならないということで、手元に残った。東京に持って帰って良く見ると、二つの笠を重ねてあり、内部には銀紙が貼り付けてあった。
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 二つの笠に分けてとにかくPIKALで磨く。PIKAL は万能金属磨きらしい。大きい方の笠は白い汚れが落ちると銀色になってきた。でも溝の所は上手く磨けない。困った時は師匠に相談だ。師匠の店には魔法の風呂がある。汚れた金属をそれに漬けるとあーら不思議、ピカピカになる。どうも強酸の風呂らしい。1週間毎日ひたすらPIKALをスチールウールにつけて磨いて筋肉痛になった私は師匠のお店でその風呂を試してみる事にした。でもそこで師匠から一言。「漬けているのを忘れるとすべてが解けて完全に消失します」「えっ!」あわてて引き上げに行く。最近物忘れのひどい私にはその風呂の前で見張っているのでない限り、忘れはててしまう自信がある。でもその風呂は師匠の店の外のトイレの隣にあり、寒くて暗い。ずっとなんて見ていられない。
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 次に小さい方の笠をPIKALをつけたタオルでごしごし磨く。なんだかタオルに着いた汚れは緑色で、笠が赤銅色で熱を持ってきた。もしかしてこの笠は銅?という事は取れた汚れは緑青?
それって猛毒ではなかったか?(注:最近は緑青には毒性はない、と言われているらしい)
汚れが落ちて見てみると、手で叩いて作られた笠のようで凸凹や皺があった。この二つの笠は新しい台所で使うことにした。
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 最近熊野で瓦の山の中から2m弱の金属の棒を数本発見した。ピンクのペンキが付着していて、太さから考えてもどうも元々の窓のレールらしい。ペンキをスクレーパーで落としてPIKALで磨く。真鍮の円柱だ。でも長年の使用でところどころ凹みがあって、まだらにしか磨けない。困った時は師匠に相談。もちろん師匠は「では酸ですかね」とおっしゃる。その一言でまだらも味、と思ってこのまま使用することにした。酸は怖い。
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 師匠に教わった金属磨きの常識を一つ。磨き粉などをつけた布で金属を磨くと、布が汚れる。その汚れは解けた金属だから、一通り汚れが落ちたら、その汚れの着いた布でさらに磨く。ダイヤを磨くのにはダイヤを使うというのと同じで、銀を磨くには銀を使うのだそうだ。お試しあれ。
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by mobiliantichi | 2008-03-06 23:37 | 古民家修復  

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