ステンドグラスの影
東京の古いマンションのリフォーム
を始めた時、家具店や雑貨店を巡り、色々な雑誌や洋書をあさった。珪藻土、無垢板、石、タイル。それに似合う光は?温かくて自然で柔らかい光。その時アンティークのステンドグラスに出会った。ステンドグラスは本当は自分でもやってみたい、とずっと思っていたもの。そしてオーダーするととっても高価。でもアンティークだったら何とか買える。いわゆる中古の値段。そして結局3つのお店で3種類のステンドグラスを購入した。
色ガラスを透ってくる光が好きだ。形も色も変えられた光はなぜだか自然で美しい。
南仏の山の上の小さな村の小さな白いマティスの教会で見た青と黄のステンドグラス。
トスカーナの小さな村の小さな石造りの教会の窓にはまった小さなステンドグラス。
私の思い出に残ったのは細かい装飾の施された宗教的なステンドグラスではなく、単純な形のステンドグラスを通った光が投影された壁の方だった。
この20年間、キセノン光源からでた光を干渉フィルターを使って単色光にしていた。特に430nmの青と700nmの暗い赤はいろいろな思い出の詰まった身近な色光である。 そして仕事場を整理したとき、いらなくなった干渉フィルターは持ち帰った。いつかそれで思い出の影を自宅の壁に投影してみたい。
by mobiliantichi | 2008-02-14 23:54 | インテリア