ショック!!
昨年11月に熊野に帰った時に気がついた。見事にくもの巣のようなひび割れの入った、正面玄関の灯り。あまりの事にショックで声も出ない。この笠は元々ここで使われていたもの。放置されていた年月も、危ない状態で割れずに保っていた物なのに。綺麗にして表舞台に復帰したためにこうなってしまったのか?
廃屋の本格的な修復を始める前に、30年間余り針金でかろうじてぶら下がっている状態の笠を注意深くはずして、ブラケットも取り外した。そちらは電気屋さんがペンキを塗ってくれ、笠は私が洗った。中には沢山の虫のかけらがあった。
元あった場所に再度取り付けて、灯りを灯したときの感激は忘れない。
丸いこの手の笠は骨董市でも見かけることがあるので、きっと探せば代わりはあるだろう。でもこれとは違う。色々な人に聞いてボンドで修復。一度ブラケットから外したらばらばらになりそうな気がしたから、梯子に登ってそのままやった。高所恐怖症だというのに。そしてこれが今の状態。ひび割れはかえって目立ってしまったけれど、これで何とか崩壊は免れるそうだ。
この家に電気が通じたその時から、きっと暗い玄関前を照らしてくれていたに違いない電燈。
病院の奥にある母屋までの道はこれが唯一の頼りの灯りだった。
灯りが点けば、ひび割れは消えて、昔と同じように玄関を照らしてくれる。どうぞこのままで。
by mobiliantichi | 2008-02-12 22:42 | 古民家修復