始まりは1枚の写真から

 数年前に祖父の妹が一人老人ホームで亡くなった。子供のいなかった彼女は遺産を自分の育った家の修繕に、と姪である私の叔母に託した。叔母はぼろぼろの廃墟だった牛小屋と病棟を壊した。そのとき発見された古い写真を私はこっそり持ち帰った。その写真に写っていたのは廃屋のまま30年間放置されている曽祖父の建てた病院の昔の姿だった。

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 アンティーク家具の修復を始めた私は、ある日その写真を修復の師匠に見せた。
それは偶然の出来事。今まで買ったアンティーク雑貨や祖母から譲られた骨董の写真をまとめた「Mio」というノートの1ページにその古ぼけた写真は貼られていた。
 アンティーク家具の修復はあくまでも趣味なので、自分の家具が実習教材になる。でも家具なんてよっぽど気に入らないと買えるものではない。お金も場所もくうものだから。そのため「実習をしたくても教材がない」と嘆いていた私に師匠は言った。
 「これを直しましょう」

 その一言が私の人生を大きく狂わせることになった。
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by mobiliantichi | 2008-01-12 08:00 | 古民家修復  

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