祖母の記憶

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 父方の祖母は、腰が曲がって眼鏡をかけた小さな女性だった。夏休み中ずっと熊野の母の実家で過ごしていても、山奥に住む父方の祖父母に会いに行くことは滅多になかった。祖母には15人の孫がいて、みな名前で呼んでいたのだが、東京っ子の私と兄だけは、ちゃんづけで呼ばれてた。
 人見知りの激しかった私には、祖母と話をした記憶がない。

 これは祖母の手作りのプレゼント。唯一の思い出の品だ。
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 最後に祖母に会ったのは、彼女のお葬式の日だった。その日は山奥の家に親戚が沢山集まって、子供達は厩の2階に寝た。お葬式が始まる前、叔母に「おばあちゃんに会うかい?」と聞かれた。おばあちゃんは死んでしまったのに、と言いかけた私は衝撃の体験をした。大きな木の桶の蓋を開けて、叔母が会わせてくれたのは、足を折って座っている祖母だった。
 その村には焼き場が無く、祖母は土葬にされた。白い△をおでこにつけた伯父達が桶を担ぐ場面とともに、忘れられない記憶となった。

 今でも土葬が一般的だというアメリカの怖い話を。
 土葬されたお墓は、数か月すると遺体が土に戻って、体積が減って陥没するので、土を盛りなおすのが普通らしい。それが最近では時間が経っても、陥没しないケースが増えたという。遺体が腐らない。食品添加物、防腐剤入りの食品を食べ続けたためではないか、と言われているらしい。
 その話を聞いてから、私は冷凍食品やコンビニおにぎりなどはなるべく食べないようになった。もし土葬にされたとしても、私はいつかは土に還りたい。
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by mobiliantichi | 2010-12-17 19:49 | つぶやき  

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