家がつないでくれたもの
奈良県下北山村に85年前に送られた、青い目の人形を囲んでの記念写真。
日米親善のために奈良県には144体の人形が贈られたそうだ。
和服姿の子供達の中に、一人おかっぱ頭で洋服の女の子がいる。
どうもその子は私の祖父の従妹らしいという。
熊野の家を修復して良かったと思うのは、疎遠だったり存在さえ知らなかった親戚と出会えること。
ある晴れた日曜日。鳥取からわざわざ西村医院を目指していらした、親戚のご家族と初対面。
曽祖父の妹のお孫さんという。と言う事は母のまた従妹?
その方は、昔、この家の写った写真を見られたことがあり、わざわざ探しにいらしたという。
お話をするうちに、どうもお隣の家がその方のおばあさんの家ではないか、と気がついた。
母から、曽祖父の妹はお隣で薬局と旅館をやっていた、と聞いたことがあったのだ。
我が家に残った写真も探してみる、とお約束しながら、そのままにしていたら、
先日、この写真が送られてきた。貴重なお写真、ありがとうございます。
家の記憶。それは実際にそこに住んだ人達だけのものではない。
その家で暮らした思い出を聞かされた、そんな人たちにとっても大切な宝物になりうる。
この家を修復してよかった。
家がつないでくれたもの。大切にしたい。
自分好みに改修してしまった者としては、せめて人の集まる場所にしたい。
鳥取の皆様、ぜひ今度はゆっくりと、遊びにいらしてください。
お隣さんにも、家を見せていただけるよう、手配しておきますから。
by mobiliantichi | 2010-11-02 07:44 | 古民家修復