Buon compleanno

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 一番楽しくて、充実して働いていたのは十数年前。そこには沢山の甘い物好き、美味しいもの好きの仲間がいた。私はナンバー2で、「女将」なんて呼ばれて、仕事が終わってから皆で食事に行く時には、店の選択やメニューの選択を一手に任されていた。
d0147727_8281075.jpg その時のボスは奈良漬けでもひっくり返る、というほどお酒がダメな反面、甘い物については色々な逸話を持っていた。高級車の後部座席はお菓子の山で、お気に入りは「コアラのマーチ」。暑い車内におきっぱなしにしていても、チョコレートの回りはビスケットで覆われているので、手を汚さずに運転中も食べれるからとか。羊羹を、まるでバナナのようにカワを剥いて丸ごと1本食べるとか。

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 私達の食事会は大体いつも6人~8人位。皆で仲良くシェアーしながら食べるスタイルだった。ある日、ちょっとお洒落なイタリアンに行った時のこと。最後のデザートはワゴンで持ってきて、好きなものを選ぶスタイル。店員が、「どれになさいますか?一つでも、半分ずつ2種類でも結構ですよ。」と言うと、女性陣はどれにしよう、あれを少し、これも、なんて悩みだす。そこにせっかちなボスの一言「それ全部。」 
 お洒落なお店で、どうやってあまり目立たずに全種類のケーキを食べるかを考えた末、一口ずつ食べて、お皿を回そうということになった。すると、私の右隣に座っていた通称「会長」と呼ばれる男の子が「時計回りにしましょう」と提案。そう、彼の右隣は、以前から彼がアタックしている、若くて綺麗な女の子だったのだ。「他人の倍の年数で大学を卒業したのんびり屋の割には、こういうことでは頭の回転が速いね」と私が言うと「当然です」と一言。そんなに私の後で食べるのは嫌なのかい、とは追求しないであげた。それは、いくら「会長」が頑張ったって、脈は無いって判っていたから。
 「全部」のあの一言で、ボスを見つめる若い彼女の綺麗な目だって、ハート型になっていたし、当然私の目にだって、星が瞬いていたはず。
 まあ最初っからボスは「会長」には太刀打ちできる相手ではないのだけどね。甘い物が大好きでも、ボスは超スリムで、運動神経抜群の気取らない下町育ち。そして「安い早い上手い」がもっとうの仕事の腕は、神業的だったのだから。
 今日はそんな永遠の憧れのボスの誕生日。
 不肖の弟子は、技術はボスの神業にははるかに及ばないので、せめてボスの優しさだけは引き継いで、細々と仕事をしています。お誕生日おめでとうございます。

 注:そのレストランは、この写真のお店ではありません。ここはボスの小学校の同級生がやっているお店。ここなら、回りを気にせず、やりたい放題。
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by mobiliantichi | 2010-07-04 10:14 | つぶやき  

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