古株
甘夏、三宝柑、春光柑。
この三つは熊野で私が子供の頃に良く食べた、古株の柑橘類。
中でも春光柑が一番好きだった。でも数十年、見かけることも無かったので、きっと絶滅したのだと思っていた。今年やっと見つけた春光柑。記憶では、もっと黄緑に近い薄いかわで、一房も薄くて、種が多く食べるところが少なかったはず。
でも香りと味は記憶のまま。私は「しゅんこうかん」は春香柑と書くのだろうと勝手に思っていたのだが、そのぐらい香りが特徴的だった。
昔の柑橘類はやっぱり種が多くて、色も黄色かった。三宝柑の黄色に比べて、最近の品種改良されたものは、ずっとオレンジ色で、種無しだ。甘みも強い。それはそれで美味しいけれど、時々懐かしい古株も食べたくなる。
亀さんの家に生った三宝柑。あっという間に残りは4個。でもきっと、またどこかからおすそ分けがあるだろう。なんといっても熊野では「蜜柑は貰うもの」だから。
by mobiliantichi | 2010-04-19 07:57 | 食べ物