かまあげかます

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 冗談のような名前だ。かまあげかますなんて。もちろんすぐに買って試してみる。空炒りしてポン酢で食べろとあるので、その通りに。小さいくせに尖った顔はさすがカマス。
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 このあたりは釜揚げシラスがよく売られている。そういえば1年間だけ勤務した富士市も釜揚げシラスが有名なところだった。富士に勤務していた20代の頃、私は3人の部署の一番下っ端、上司2人は酒好きで、2人とも家族を東京に残しての単身赴任だった。だから仕事が終わると、夕食は毎回3人で外食だった。私も始めのうちはおとなしくしていたのだが、数か月たったところで我慢の限界に達して5カ条の嘆願書を上司に提出。
 その1:魚は焼いて食べたい!
 解説:富士で外食と言ったらほとんどが鮨か割烹料理屋。シラスだって釜揚げではなく、生シラスなのだから、鯵の塩焼きは決してでてこない、、、。
 その2:鮨屋に行ったら鮨が食べたい!
 解説:上司は沢山お刺身やらつまみを頼むのに、自分はきゅうりを1本貰って塩を付けてかじりながら、日本酒をちびちび飲むだけ。だから私は彼の頼んだつまみを片づけることとなり、満腹で鮨には到達できない。
 その3:たまには焼き鳥でいいから肉を食べたい!
 解説:私は鳥肉が好きなのだが、富士では鳥肉は家で食べるものという考えがあるらしく、焼き鳥と書いていても、焼きとんだったりする。それでもいいから生魚以外が食べたかった。
 その4:蕎麦屋に行ったら蕎麦が食べたい!
 解説:やっと私に店を決めさせてくれることになり蕎麦屋に行ったのだが、上司が頼むのは、天だねやかつ皿。つまり、天ぷらそばの蕎麦抜きや、かつ丼のご飯抜き。そんなの反則でしょ。
 その5:食後はコーヒーが飲みたい!
 解説:上司の食後の1杯はビール。アイスクリームとまでは言わないから、せめて食後はコーヒーでしょ。

 1年の富士生活は、貴重な体験だった。上司は足立区出身の生粋の江戸っ子で、富士のことを「あちい、あめえ、くせえ」と言いながら、扇子をパタパタさせてせっかちに働く憎めない人だった。そういえばあの上司の趣味は骨董収集。家は古い洋館で、銀座のガス灯があるとか。日本刀のコレクションはお金がかかりすぎるからと硯を集めていた。休みの日には硯を取り出し、水に付けて輝きを見るとか言うのを聞いて、変なおじさんと思っていた。久しぶりに会ったら、話があうかもしれない。私もすっかり変なおばさんだから。
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by mobiliantichi | 2010-03-12 23:27 | 食べ物  

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