Campanilista
熊野で常勤の仕事を始めて、あっという間に1年がたった。それまでに首都圏以外で仕事をしたのは、富士の1年間だけだったから、やっていけるか心配だった。でもこの1年で、ますます熊野が好きになった。
熊野は人がいい。出会う人みんな、ホントに気持ちがいい。控えめなユーモアがいい。あきらめは早いけれど明るいのがいい。格好をつけないのがいい。東京の友人は、東京育ちの人間には、田舎の人間関係は息苦しくなるのではないか、と心配してくれた。でもこの1年、そんな風に感じたことは1度も無かった。人と人とのつながりは、私の距離感にぴったりだった。
熊野は景色がいい。海がある。山がある。滝がある。川も温泉もある。棚田がある。神社がある。灯台がある。芦雪のトラがいる。
熊野は食べ物が美味しい。新鮮な魚がある。松阪牛になり損ねた美熊野牛がある。地鶏がある。野菜は新鮮、そして蜜柑は最高。
熊野では生活を楽しめる。東京のように高いレッスン代を払わないでも、色々なスクールがある。最近始めた革細工の他に、春からは新しい教室にも申し込んだ。
もちろん熊野には無い物だって沢山ある。高速はない、ファミレスはない、スタバもドトールもない。エスニックレストランもない。
でも今の私には、熊野は最高の場所。まあ月に一回は、東京に出かけているからかもしれないけれど。
campanilista とは自分の故郷が最高!と思っている人のことだ、と今日のイタリア語のレッスンで習った。イタリアに行くと、本当にそういうcampanilistaが沢山にることに驚く。campanilistaが多い国、というのは実は一番幸せな国なのではないだろうか。外の人から見たら、えっ?と思うような場所でも、そこが一番と満足して一生を過ごせるなら、その人は最高に幸せなはずなのだから。
by mobiliantichi | 2010-03-06 21:20 | つぶやき