果樹園の番猫
なんだか素敵な入口発見。中にはいってみよう。実はその壁の裏では、にゃんこが私を待っていた。そして彼は、私が中に入ったのを確認すると、地上へと降りてきた。
「Piacere はじめまして。庭をご案内しましょう」彼は、礼儀正しいにゃんこだった。
「こちらが果樹園になっております。沢山の種類の柑橘類が栽培されているんですよ、えっ、柿は柑橘系じゃないって。固いことをいわないで、ここは南イタリアですよ」
「レモン、オレンジ、蜜柑に金柑だってあるんです。朝、あなたも食べたでしょ。ジャムにもなるんです。」
何を見てるの?あっあの素敵な扉?あの向こうにはなにがあるの?「いえいえ、なんでもありません。あそこにはちょっとばかし哀しい思い出があるだけで」
「さあさあ、感傷に浸るのはこのくらいにして、果樹園を出て、素敵なお庭をもっとご案内いたしましょう。出口はこちらです。」
「こちらは庭園への門になっています。どうぞゆっくり散策を」そう言い残して、彼は去って行った。あの扉の向こうに行ったのか、美味しい匂いの漂っている食堂の裏口へ向かったのかは秘密。
by mobiliantichi | 2010-01-10 00:26 | 海外旅行