明治村 その2 芝川又右衛門邸
西宮市甲東園に明治44年(1911)、大阪の貿易商、芝川又右衛門の別荘として武田五一の設計で建てられた。この洋館は何度か増改築がなされており、昭和2年(1927)に外装などを今のように改築されている。 この館は、阪神大震災の際に被害を受け、平成7年(1995)に解体され明治村に移され、平成19年9月に竣工した、明治村で一番新しい展示である。
ガイドは修復に関わったボランティアの方で、自然に説明に力が入る。
照明の飾りは木製で個性的。ブラケットにはハートマーク。
台所には、レンジがない。ここでは調理はしなかったそうで、お取り寄せを配膳しただけだという。各部屋には主人がメイドを呼ぶための紐があり、台所で待機していた使用人はこの器具を見て、部屋に向かったという。
お風呂の天井の飾りは縁起のいいトンボ、ステンドグラスはスミレ。
階段はキンキラキン。この壁は漆喰に真鍮を張ったもの。
このステンドグラスの前のつっかえ棒、本来はなかったらしい。でも構造上必要とのことで、今回取り付けられた。
和室のふすまを開けると、暖炉、2階の和室の手すりにはやっぱりハートマーク。
震災ではレンガでできた煙突が崩落し、壁もはがれ、ガラスも割れたという。そのまま取り壊す話もあったそうだが、明治村で展示されることになったという。しかし不況のため、なかなか改築が始まらず、明治村40周年記念行事の一つとして、ボランティアの助けでやっと竣工したという。建築業者にすべて任せるそれまでの明治村の方法よりも、かえって良かったのではないか、ガイドの方の熱意あふれる説明を聞きながら、そう思った。
by mobiliantichi | 2009-11-08 19:38 | 国内旅行