江戸東京たてもの園 その2 「前川國男邸」
前川國男とはどうも日本の近代建築の発展に貢献した人らしい。その人が1942年(昭和17年)に上大崎に建てた自邸だそうだ。戦時中の東京にこんな家を建てる、気持ちやお金に余裕のある人がいた、ということにまずびっくり。ニュースや戦争関連のドキュメンタリーで知る戦時中の生活からは想像できない。
この家も番地や番犬のシールがそのまま、それに呼び鈴がいい。
中に入っても、ごく普通のいまどきの家のような気がする。だからこの家がここ、博物館にある、ということに違和感を感じる。
今にも住人が冷たい麦茶を持って、「いらっしゃい」と出迎えてくれそう。
キッチンだって、バスルームだって、まだまだ完全な現役ではないか。
この家が誰かに住み繋がれていくのではなく、この場所にきてしまったこと。家の剥製になってしまったこと。なんだか無性にやりきれない気分になった。
by mobiliantichi | 2009-09-08 19:26 | 国内旅行