伊作の絵 その後の経過報告

 和歌山県立近大美術館に預けてあった西村伊作の絵。遂にこの絵の修復が始まった。美術館の方のご好意で、東京の目白にある修復研究所21という会社に届けていただいた絵。修復方法の相談にその場所を訪れた。一人で行くのはなんとも気後れするので、友人を引っ張り出して、2人での訪問。所長の女性は多分私達と同年代位の方で、ずぶの素人の私達にも判りやすく、この絵の今の状況、修復の必要性、そのやり方にとどまらず、絵画修復についての会社の考え方などを、今までの事例を交えて説明してくれた。その後に実際の修復現場も見せてくださった。
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 この絵は、一度かん水しているという。そのために布が縮んで、絵の具がはがれかかっている。絵の架けてあった場所は、雨漏りはなかったが、家自体を数十年の間、閉切ったままだったこと、そして熊野は湿気の多いところであったことが原因だろう。d0147727_2028854.jpg
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 キャンバスを張っている木枠は、手作りなのか華奢で、数年前に展覧会用に最低限の補修をしたときにすでに波打っていたため、補強されていた。今回はこの木枠から絵を取り外して、修復を行い、その後にこの木枠が使えるかどうかは、現時点では判らないと言われた。d0147727_2031289.jpg
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 ここ数年は美術館の空調の整った倉庫にあった絵。これからこの絵がもとにあったこの場所に戻ってくる事になる。隙間風、埃、日光。これらの影響を考えると、アクリル板を絵の前に入れること、絵の後ろにはやはりカバーを取り付けることが必要だろう。
 修復家は言った。「1年に一回とは言いません。せめて2年に1回でも、晴れた10月に風通しのいい室内で、後ろのカバーを外して、アクリル板との距離もあけて、絵の陰干しをしてあげてください。そしてその時にその絵をじっくり見てあげてください。そうすれば、どこかに傷みがきていないか、ということを早い段階で発見する事ができるのです。」この言葉、絵に留まらない気がして、とっても耳が痛かった。

 絵の修復が終わるのは、早くて年内。それまでに、もうちょっとこの場所を綺麗にしておかないと。
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by mobiliantichi | 2009-09-06 21:09 | 古民家修復  

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